ジャイアニズム


〜 やられっぱなし武勇伝 〜




※ ジャイアニズムは決してサディズムではありません。「愛情」と書いて「ジャイアニズム」と読むのです。



第1回   ある雨の朝

小雨の降る早朝4時半・・・私は眠りについた。

遅い時間まで仕事だったせいで私の疲労はピークに達していたため、ベッドに入るとすぐに深い眠りに落ちた。

1時間後・・・時計は5時半を指していた。

突然ケータイに着信音が鳴り響き、私は飛び起きた。

この音は・・・某バンドで活躍している「T長」という男だ。

「・・・もしもし・・・。」

「おーう!おつかれー。」

どうやら酔っ払っているようだ。メンバー全員いるらしい。
・・・それにしてもこんな時間に電話なんて・・・。

「ちょっと訊きたい事があるんだけどさぁ。映画のトップガンの主題歌って誰が歌ってたっけ?」

「知らねーよ。・・・どうせケミストリーあたりだろ?」

「んなワケないだろ。10秒以内に答えろ。分からなかったら、とりあえず調べて今から来い!」

「え?あ、ちょ、ちょっと・・・」

「・・・10,9,2,1,0、ハイ!」

ガチャ、プープープー・・・


行きましたよ・・・雨の中を原チャリとばして。しかもキチンと調べて。
・・・眠い目をこすりながらボロボロの体をひきずって到着。

ドアを開けると・・・


「あれ?おまえ何しに来たの?」

「え?・・・あ、ト、トップガンの・・・。」







3秒後・・・





「あっはっはっは!」
「バカだ!こいつバカだ!」
「ほ、本当に来やがった!はっはっはっは・・・!」
「何しに来たんだ?・・・帰れ!」



ある雨の日の早朝の出来事・・・





第2回  「来るんじゃなかった・・・」

その日、またもや早朝にケータイが鳴った。

某バンド「T長」からのメールだ。

「おもしろい事があるから、とりあえず来い」

そのとき私はかなり泥酔していた。

おもしろい事?とりあえず行ってみるか・・・ 


いつもの集合場所に行ってみる。

そこにはバンドのボーカルである「S」と、最近よく手伝ってくれている仲間の2人(S アンド U)がすでにいた。

T長はすでに泥酔している。

しばらくの間、みんなで雑談。

・・・急にT長が口を開く。


「へい、ぼーずめん!
そこにインスタントコーヒーあるだろ?・・・それを口の中で作れ!




「は・・・?」



「粉だけ先に口の中に入れとくんだよ。お湯が沸いたら口を開けろ!注いでやる!・・・
それで猫舌を克服しろ!

「え?ダイレクト・・・?」



男性陣のSとUがお互いの顔を見合わせ、観念したようにうなずくと私の事をはがい締めにした。

酔っ払っている私はほとんど無抵抗に等しい。

こじ開けられた口にインスタントコーヒーの粉が大量に・・・大量・・・に・・・



・・・にがっっ!!!! うわっ、マジでニガっ!

その瞬間、胃の中のアルコールたちが反乱を起こし、食道を駆け上がってくるのを感じた。

私は3人を振りほどくと無言でトイレに消えた。マーライオンである・・・


後ろからT長の声が聞こえる・・・



「あ、お湯を沸かしてねェや。」






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お前の物は俺の物。
俺の物は俺の物。



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